辛子蓮根
九州で生まれ育った「うえやま とち」のマンガ「クッキングパパ」でも紹介されている肥後の国”熊本”を代表する名産品「辛子蓮根」。
平成19年3月には地域団体商標(地域ブランド)に登録され、今や九州を代表する郷土料理として認められています。
もともとこの辛子蓮根は由緒正しき武家の食べ物でした。
1632年頃の事です。当時病弱で食欲不振だった肥後細川藩初代藩主細川忠利公を心配した禅僧玄沢和尚が見舞いに訪れ、栄養価の高い地元熊本産の蓮根を食べてみてはどうかと勧め、この辛子蓮根を献上しました。
折しも、その頃熊本城の外堀では加藤清正が非常食として蓮根を栽培していたのです。
そこで、肥後藩の賄方であった平五郎は、その蓮根の穴に和辛子粉を混ぜた麦味噌を詰め、麦粉と空豆粉を塗して卵の黄身にくぐらせた物を菜種油で揚げ、頻繁に忠利に出したところ、大変喜ばれ、常に完食したと言います。
蓮根は増血剤として優れており、さらに辛子には食欲増進作用がある事から、この辛子蓮根は忠利の体に良い効果を発揮したのです。
蓮根は輪切りにした断面が細川家の家紋である九曜紋と似ていた事から、長年、辛子蓮根は門外不出の料理とされていましたが、明治に入ると一般にも製法が伝えられ、熊本の郷土料理となりました。
辛子蓮根の中身となる辛子味噌は、味噌・粉辛子・蜂蜜を混ぜ合わせたものが主流で、事前に作っておいた辛子味噌を山盛りに置き、蓮根の断面を上から山を削るように押しつけると、比較的簡単に詰められます。
近頃では明太子を詰めた「明太子蓮根」やカレー粉を混ぜた挽肉を詰めた「カレー肉蓮根」なるものも登場し、若者たちの人気を得ています。
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