ゴリ
桜のつぼみが膨らみ出す頃、日本最後の清流とも言われる高知県四万十川の下流では、伝統のゴリ漁が始まります。
「ゴリ」とは鯊の仲間であるチチブの幼魚のことで、体調1pから3p。
3月になると、四万十川に春の訪れを告げるように遡上を始めます。現在四万十川では2種類の漁法によって水揚げされています。
「上り落としうえ」と呼ばれるゴリ漁は、流れが穏やかな川端を上ってくるゴリの習性を利用したもので、川岸から簾を伸ばし、川の流れが急になる川瀬には落とし籠を設置します。
そして、簾をつたって泳いできたゴリを川瀬で一気に籠へ落とすという仕掛けです。
しかし、ただ仕掛るだけでは「ゴリ」は簡単に逃げて行ってしまいます。周囲の石の積み方や川の流れに合わせて仕掛けを調整しなければなりません。
この感覚は、ベテランの川漁師にしか判らない匠の技です。数時間後、籠を上げると中にはたくさんのゴリが入っています。
ゴリ以外にもウナギの稚魚や沢蟹が混ざっているので、大きくなりすぎたゴリと一緒に川へ戻して上げます。
一方「がらびき漁」は、貝殻などを使った独特の方法でゴリを捕る、四万十川に昔から伝わる漁法で、3月から4月にかけて行われます。
約50mのロープにサザエやアワビなどの貝殻を何百個も吊り下げた漁具をゴリのいそうな場所に投入し、二人一組で上流から下流に向かってU字型に引き、貝殻が立てる”ガラガラ”という音と光の反射に驚いたゴリを、予め適当な場所に設置しておいた四ツ手網に追い込むというもので、陽が高くなり、潮が満ち始める午後に行われます。
終戦直後までは四万十川の春の風物で、漁かの間で広く行われていましたが、40年前には僅か6組となり、今ではたった2組が必死に守り続けています。
ゴリは四万十川の春を代表する味覚で、地元では卵でとじたり、唐揚げや炊き込みご飯の具にしたりもしますが、県外へは専ら「四万十川珍味 ゴリの佃煮」として出荷されています。
運営者情報
当サイトはリンクフリーです。
トップページ、サイト内ページ、全てご自由にリンクして下さい。
リンクの報告も必要ありません。