七味唐辛子
「はい、お土産」
先日横浜の知人宅を訪ねた時、携帯電話位の大きさの包みをハンドバッグからそっと取り出し渡した。
彼女は驚いた。これは後で聴いた話だが、”いくら気を使わずに来てね。”と言ったとはいえ、一晩泊るのだから、もう少し立派な物を持ってくればいいだろう! と一瞬彼女は思ったらしい。
確かに京都の名産品は、漬物や地酒、和菓子など、数えきれないほどあって、地方へのお土産には事欠かない。
しかし、今回私が持って行ったのは、「七味」である。可愛い陶器の小瓶に入った京都の名産品、香り高い「七味」。
流石に止めて貰うので、それだけではと思い、詰め替え用も付けた。
とは言え、あまりにも小さなお土産品に彼女は驚いたらしい。
でも、その辺は近所でもいささか料理上手で名の通ったカリスマ主婦。中身を見て、何度も何度もお礼を言われた。
「七味」は知る人ぞ知る京都の名産品である。
京都を代表する観光名所の1つ清水寺の参道「三年坂」に今も昔も変わらぬ香りを漂わせている店がある。
老舗の七味屋だ。
もともと「七味」は関東で作られた調味料で、そばの薬味として重宝されていたらしい。
それが京都に伝わり、修行僧やお参りに来られた方に「辛子湯」として提供していたのが始まりで、食事をする人のお弁当のふりかけとしても使われるようになった過程の中で色々なものが加えられていき、今の香り高い「七味」が育っていったのだ。
京都の七味職人が特に拘るのが「山椒」である。香りが大変良いとされる実が熟してはじけた状態の山椒のみを使用する。
そこで、天候の影響などで良い山椒の収穫が少ない年には販売制限がされる事もある。時と場合によっては店を閉める事もしかねないらしい。
ここまで拘って作られている京都の「七味」は、ちょっとやそっとの土産品ではない。
その使い道も豊富である。香り高い「七味」は、京都生まれの京都育ちである私が自信をもって勧める京都の名産品である。
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