大和しじみ
日本一のしじみの産地として知られる島根県の「宍道湖」は、斐伊川の淡水と日本海の海水が交わり、さらにもう一つの汽水湖である中海とが繋がった我が国最大の汽水湖です。
そんな宍道湖に生息するしじみは、「大和しじみ」という種類で、他に淡水で育つしじみ「真しじみ」、琵琶湖で育つしじみ「セタしじみ」などが国内産のしじみとしては有名です。
この大和しじみは汽水でも淡水でも生息する事ができる、最も美味しいしじみだと言われています。
その理由は、水中の塩分濃度が頻繁に変動し、しばしば酸素不足になる汽水湖で生きる大和しじみは、そんな塩分濃度の変動、酸素不足という環境でも生きていける強さを持っているからです。
塩分濃度の変化があると、浸透圧が変化しますので、例えば、外部の浸透圧が高い時は体内の成分を必死に生成し、浸透圧をあげていかなければなりませんし、酸素不足の時は、殻の中で必死に成分を生成することでエネルギーを発生させなければなりません。
つまり、そういう厳しい条件の汽水湖の中で、豊富な栄養には恵まれているものの、環境の変動にもまれてたくましく生きなければならないしじみだからこそ、美味しいしじみになるのです。
中でも、宍道湖産の大和しじみは日本一の味と漁獲高を誇っています。
何故なら、斐伊川の淡水と汽水湖である中海とが混ざった淡水に近い汽水湖である宍道湖の薄い塩分濃度が、大和しじみが最も好む「0.3〜1.0%=海水の1/10〜1/3」とピッタリだからです。
本当の美味を与えてくれるのは、やはり自然の力だという訳です。
ですから、宍道湖の漁師たちは、大和しじみを非常に大切に守り育てながら漁を行っているのです。
そんな宍道湖では、「大和しじみ」を取り過ぎて減らないよう、1日に採って良い漁は140キロまでと決められており、取って良い曜日と時間も制限されています。
さらに、小さな大和しじみをとらないように、湖底からしじみをあげる「ジョレン」と呼ばれる漁具の目合も大きさが決まっています。
こうして現在宍道湖で大和しじみ漁を行う漁師は約300名。その光景は、宍道湖の朝の風物となっています。
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