野田の醤油
もう20年以上も前の事になるでしょうか。千葉県の漁師街、銚子を舞台にしたNHKの連続ドラマ「澪つくし」が大ヒットしました。
当時まだ新米役者だった主演の沢口靖子と川野太郎は一躍大スターになったのを覚えています。
物語の背景は千葉県の名産品の一つである醤油を作る醸造所。大正末期から昭和にかけての話でした。
今日はそんな銚子市と同様、江戸時代から続く醤油の町、千葉県最北部の野田市を歩いてみたいと思います。
かつて、東に利根川、西に江戸川が流れるここ千葉県野田市は、大消費地江戸を控えて、水運を利用した醤油の醸造が大いに栄えました。
今でも町中には、近代的な工場と共に昔の面影を残す黒板塀やレンガ塀の工場が残っています。
本町通りの商店街に入ると一際目を引く建物が在り、醤油による町の繁栄は、豊かな文化や歴史を作った事を物語ります。
4階建てのロマネスク風建築「興風会館」は、国指定登録文化財。
昭和4年、醤油醸造家らによって社会事業推進のため建てられたこの会館は、建築当時千葉県の県庁舎に次ぐ高層建築だったそうです。
現在も一般に開放されており、館内は吹き抜けの大ホールなどがあります。
少し歩くと、今度は、大正15年に建てられたアールデコ様式の建築物、「旧野田商誘銀行」にお目にかかります。
名前の由来は創立委員の多くが醤油醸造家であったからだそうですが、きっと顧客の多くも醤油の製造に携わる人たちだったのでしょうね。
現在は、株式会社千秋社の社屋として使われていて、残念ながら入館は出来ません。こんなレトロな雰囲気の中で毎日お仕事出来るなんて少し羨ましく感じます。
通りを入るとすぐ、”野田醤油発祥の地”の石碑を発見!
「野田市郷土博物館」へと向かいます。
江戸時代初めて醤油が輸出されたのは、どうやらここ千葉県のようです。
行先はオランダ。当時用いられていた陶器製の醤油瓶が展示されています。中々立派なものではありませんか。
今や世界中で使われている醤油ですが、その第一歩はこれだったのですね。
博物館に隣接するのは、見事な和風建築の豪邸。大正時代に建てられた「醸造家旧邸」で、今も野田市市民会館として使用されています。
やっぱり千葉県の醤油醸造はすごかったらしい。醤油について詳しく勉強するために、「キッコーマン野田工場」のなかにある「もの知りしょうゆ館」を訪ねます。
ここの見学コースには、醤油の歴史や醸造工程がわかりやすく解説されており、館内の売店では、工場限定の醤油が入手出来ます。お土産はこれでバッチリ!
帰り道、木造では最大級の橋面積を持つと言われる「とんとんみずき橋」に立ち寄りました。
新興住宅街の中にある道路に架かる歩道橋なのですが、木の感触はとても心地よく、広々とした橋の上の空間は、ちょっとした空中庭園。
運が良ければ富士山が見えるかも知れないんですって!? 階段を上り下りする時のトントンという足音がなんとも言えずいい気持ち。木の温もりを感じさせてくれます。
醤油の街、千葉県野田市。いい所ですよ。
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